こんにちは、りんたろう(@rintarou44)です。
村田沙耶香さんのおすすめの本から見ていきたいと思う。
彼女は文章での色彩の情景や日常の何気ないワンシーンを鋭く切り取り表現する。
そして、等身大の女性の苦悩を描くことに優れている。
1.醜くも美しき思春期『しろいの街の、その骨の体温の』
第26回三島由紀夫賞を受賞した本作品は、スクールカーストという思春期特有の見えない監獄をテーマとしている。
ニュータウンとともに成長して来た少女結佳は明るく元気にとは言わないが順調に成長していた。中学校に進学すると価値観や醜美、態度でなんとなくグループ化される。
結佳はその慣性に逆らうことなく、最下層から1つ上にあてがわれる。
すっきりした物語ではないが、救われるようなシーンもある。
心が落ち着いているときに読みたい一冊だ。
淡い墨汁が流れ出たような夜の中で、伊吹の黄色いTシャツが、そこだけ昼間みたいに、街灯の光を吸い込んでゆらめいていた。
同級生の伊吹と一緒に家路につくシーン。
伊吹と街のコントラストが素敵だと感じた。
2.普通とは何か『コンビニ人間』
第155回芥川賞受賞作。
本作品は、コンビニで長年アルバイトをしている女性の生活を切り取ったお話。彼女は感性が通常とは異なる。
学生時代「普通」出ないことから母親を心配させた。大学生の時に始めたコンビニのバイトを36になった今でも続けている。
彼女はコンビニという社会の歯車となることで自分を見出していた。そこに普通を見出した。
しかし、36でコンビニアルバイトは普通ではなくなった。彼女の選ぶ次なる「普通」はなんなのだろうか。
個人的に刺さった言葉がこちら
差別する人には私から見ると二種類あって、差別への衝動や欲望を内部に持っている人と、どこかで聞いたこと受け売りして、何も考えずに差別用語を連発しているだけの人だ。
3.清潔な恋愛とは『消滅世界』
人同士の性交渉を戦前の旧時代の行為としたパラレルワールドでのSF恋愛?ストーリー。
主人公の雨音(あまね)は旧時代の恋愛の末に生まれた子供。新時代の人工授精と雨音がどう向き合っていくのか。
村田沙耶香さんの紹介記事はこちら