こんにちは、りんたろう(@rintarou44)です。
何度か村田沙耶香さんの感想をブログで書いてきましたが、唯一再読するやる気がなかなか出なかった本です。
最後の雨音の行動があまりにも理解し難くて、人が怖いと思ってしまったんですよね。
個人的には問題作ですが、本書のあらすじには傑作長編の文字が。
目次
Ⅰ.母親に植え付けられた価値観
Ⅱ.ポスト家族システム
Ⅲ.実験都市千葉
私がつけた目次となります。
本来は、ローマ数字の1から3のみの表記となっています。
あらすじ
セックスではなく人工授精で、子供を産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為は「近臣相姦」とタブー視され、「両親が愛し合った末」に生まれた雨音(あまね)は、母親に嫌悪を抱いていた。清潔な結婚生活を送り、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその”正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園で一変する・・・・・・・日本の未来を予言する傑作長編。
食事
本作では家庭内で話しが進んでいくせいか、料理が文中に多く出てくる。
日本での話にもかかわらず、外国の料理が多い。
雨音が恋人の家から帰ってきたときに、夫がお茶漬けを食べていたのが本作で初めての日本食ではないだろうか。
慣れた料理名が出てくると、ホッとしてしまった。
雨音も「家族」への問の中で、一緒に料理を食べてホッとすることを解として当てはめている。
こうした人の心理を利用した構成の上手さが村田沙耶香さんなのかと思う。
2章での内容なのだがこの後も食事についての記述は続いていくので注目して読んでいくと面白いかもしれません。
感想
ヒトの性について考えさせられる話となっています。
終わり方が独特な気持ち悪さを持っているため、最後の手前までは気持ちよく、問題なく読めていても人によっては目を覆いたくなるかもしれません。