今回は『日本人の勝算 人口減少×高齢化×資本主義 』デービッド・アトキンソン の紹介となります。
この本はメタ分析によって日本の勝算を語った本です。
メタ分析とは,「分析の分析」を意味し,統計的分析のなされた複数の研究を収集し,いろいろな角度からそれらを統合したり比較したりする分析研究法である。1960年代に社会学者のロバート・ローゼンタールが,実験者期待効果に関する一連の研究を比較研究する過程で開発した。以来,メタ分析は徐々に改善が加えられ,今では社会行動学を中心にかなりよく使われる手法となっている。
メタ分析の長所は次のような点にある。第1に,1つの研究では見失われていた小さな関係が,多くの研究を統合することで明らかになる。第2に,研究を相互に比較することで新たな視点が得られ,将来の研究の方向づけになる。けれども使用上の注意が必要である。メタ分析は他の研究者の研究データを利用するので,メタ分析者が研究データを誤解し,誤った結論を導く可能性がある。異なった動機で収集されたデータ群の中には,違った概念に同じ名前が与えられていることもある。また,元の研究データが間違っていると,その影響を受けてしまうのも問題である。
引用:超心理学講座・メタ分析 - 明治大学より(
https://www.isc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/2-9.htm)
複数の細かい論文から何を言えるのかを考えることは難しいかもしれませんが、卒論に使えるかもしれませんね。
ここで言われる日本の勝算とは、2060年も日本が先進国と呼ばれていることです。
おすすめポイント
各章の初めにある要約がとても良くまとまっており、話が入ってきやすい。
複数の視点から、同じ事象にアプローチするので、話が入ってきやすい。
この本の一番の肝
「福祉制度を維持するためには、生産性の向上が不可欠です。それには、企業の規模を大きくする必要があります。人口が減る中で企業の規模を大きくするなら、結果と来て企業の数が減ります」。企業の数が減るのは、必然的な結果です。
日本の問題点3つ
- 人口減少
- 生産性の向上が低い
- 人口に対する高齢者の割合の増加
なぜ問題なのか2つ
- 日本の国債を担保できなくなる
- 年金が破綻する
つまり、国家破綻の危機が迫っている。
「日本人の勝算」とは
本書を読んでみてください
感想
この本を読んでいて感じたのはアメリカの異常性だ。
アメリカは先進国であるにも関わらず、人口が増加し続けており、生産性も向上し続けている。
超低額投資家目線の感想になるが、アメリカ株の魅力は上記要因があるからだろう。
一方で日本は、人口減少且つ、生産性が1990年から2015年までの25年間で年間0.77%しか成長しておらず、株式市場の魅力が低いと感じる人が正しいことが理解できた。
「日本の勝算」が本書では述べられているが、本当に実行されたとき株価はどうなるのだろうか。
本書のことを忘れずに日本株投資の最大の好機を掴みたいと思うりんたろうでした。
画像提供 画像番号mny0107-001
タイトル 年金記録問題
リリース情報撮影:井部 寛