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【書評】村田沙耶香 『となりの脳世界』を読んで

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こんにちは、りんたろうです(@rintarou44)。

 

今日は村田沙耶香さんの『となりの脳世界』という本を紹介したいと思います。

エッセイ集ですので、隙間時間でもサクサクと読むことができます。

言語化が非常にしずらいのですが、自分の感性に語り掛けてきてくれるような文章が多く世界観に引込まれていくタイプの作家さんです。

 

 

 

 

作者紹介

村田沙耶香

1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部卒業。2003年に『授乳』で第46回群青新人文学賞(小説家部門・優秀作)を受賞し、デビュー。09年『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞、16年『コンビニ人間』で第155回芥川賞を受賞。そのほかの著書に『タダイマノトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『地球星人』など

彼女の作品で印象的なものは五感の表現に幅があること。自分が小さいころに感じていた懐かしい感じの感性を突いてくるところが好きになりました。

 

あらすじ

様々な媒体で著者が書いたエッセイをまとめた本となります。

ですから、1つ1つが短い話となっており隙間時間で読んでいくのにぴったりな作品となっております。

 

 

 

 

自分が好きだった話

小さい頃について

 1.スーパーの蜃気楼

≪本好きの著者が自力で行ける距離に本屋さんができたときの話≫

開店日にわざわざ足を運んだのに、書籍フロアが見えるところまで行き、足を踏み入れなかったところがとてもかわいらしかった。

日常について昨日が当たる占い

 2.セルフありがた迷惑

≪未来の自分のためにメモや手助けをしておく話≫

自堕落な私は未来の自分がやってくれるからいいやと先延ばしにすることが多いのだが、こんなに窮屈な行動をしている人もいるのだと笑えた。

 

 3.「っぽい人」と私

≪初めての場所に行く際に、自分と同じ目的だろうなとついて行ってしまう話≫

よくしてしまうので、とても共感できた。逆の立場になった時のことは考えたこともなかったが、そんなことをこの話を聞いてしまったがために、後ろから人がついてきていると感じると著者のように考え込んでしまうのだろうか。

それでも私は、っぽい人について行ってしまうのだろう 

 

 4.「走らせている人」たち

 私は「走らせている人」なので、簡単に説明したい。電車や車に乗って、窓の外を流れる景色を眺めているとき、屋根の上やビルの↑、電線の上などを、ピョンピョンと飛び越えながら、何かが走っている姿を想像して目で追いかけるという行為をよくすることがあるのだ。(本書163ページ,5行目より)

わかりみが深すぎて、読みながらにやついてしまった。

育った環境の違いで、私の場合は田んぼのあぜ道を黒い影に走らせていた。

そして、電車が停車駅に着くとホームの○○駅の看板のところで手を振らせて、電車が進み出すと、またその影も走り出すのであった。

散歩、旅することについて

  1. ダイアログ・イン・ザ・ダーク

≪暗闇の中を杖を突きながら歩くイベントに参加した話≫

ハウステンボスのお化け屋敷?ホラー系のコーナーに似たようなものがあり、著者と同じく人とくっつきたくなるような感覚になったのを思い出した。

興味があるならカップルで仲良く参加してみては?

 

どんな方におすすめか

  • クスクス笑えるポイントがあったので、そういった笑いを求めている方。
  • 隙間時間で本を読んでいる方。
  • 女性作家が苦手だけど試しに読んでみたいという入り口に(私も女性作家の書いたものはあんまり読了まで行きつかいなですが、短く区切れるのでとても読みやすかった) 

 

感想

 いろいろな話がありますが、皆様はどんな話が好きでしたでしょうか。

私は「っぽい人」と私がすごくツボに入りました。

 

以上!!村田沙耶香さんの『となりの脳世界』の書評でした。